ジャガーが創業されたのは1922年、「スワロー・サイドカー・カンパニー」という名前で設立されました。この会社がジャガーの原点となります。名前の通り設立当初はバイクのサイドカーを製造していましたが、1920年代後半には既存の市販車をベースに改良をしたスポーツカーの販売を始めます。その後、1931年にオリジナルシャシーを用いた「SS1」、「SS2」をロンドンモーターショーで発表し、バックヤードビルダー型のスタイリングが評判を呼び、また、値段も高級車に比べてリーズナブルだったため人気を博しました。
1933年に社名を「SSカーズ」に変更後、4ドアサルーンや高性能スポーツカーの販売を開始しました。高性能でありながら抑えられた価格で販売されたため、英国で知名度が大きく上がったのです。終戦後の1945年、「ジャガーカーズ」にまた社名を変更し、新しいスタートを切りました。1948年に戦後初のニューモデル、「マークV」と「XK120」を発表します。なんとこのXK120、1951年に開催されたル・マン24時間耐久レースで見事に優勝したのです。その後も1955年から1957年にかけて三連覇を果たし、ジャガーの名をヨーロッパ中に轟かせました。
1960年代に入ると、スタイリッシュで魅力的な名車として後世に語り継がれる「Eタイプ」を発表します。また、イギリス経済の悪化により、当時絶好調だったジャガーは様々な自動車メーカーと合併をしました。しかしこの合併により品質が低下し、オイルショックにも襲われジャガーは国営化されてしまいます。1980年にジャガーのトップにジョン・イーガンが就任したおかげで再度民営化され、1990年にはフォードの傘下に入りますが、今度はフォードを不況が襲いました。結果、2008年にフォードはジャガーとランドローバーをインドのタタ・モーターズに売却してしまいます。ですが、新型アルミニウムボディの開発や電気自動車、SUVに挑戦したりとその勢いは衰えることなく、ジャガーのブランドと存在感を維持し続けているのです。