「ジャガー・XJ6」は、ジャガーSなどのポーツサルーンの系譜を受け継ぐ車として1968年に登場しました。当時角ばった形をしていたサルーンとは違い、XJ6はエッジを削ぎ落とされ、より滑らかな外観を有していました。直6DOHCエンジンを搭載し、走行だけでなく静音性能にもこだわり、イギリスで高級サルーンとして有名なロールス・ロイスと比較しても高い評価を得たXJ6はジャガーのサルーンとして一本化されたのです。また,1972年に誕生した「ジャガー・XJ12」はV12SOHCエンジンを搭載し,当時の4ドアセダンで世界最速の225km/hをマークします。
1986年になると,ジャガー・XJ40が誕生します。XJ40はV12気筒モデルではなく,新開発の直6エンジン「AJ6」が使われ,燃費と馬力の向上が図られました。XJシリーズの高級な内装を受け継ぎ,カーステレオやエアコンなどの新しい機能も備わります。1998年にはV8気筒エンジン「AJ-V8」を搭載した「ジャガー・XJ X308」が登場し,急モデルよりもさらにスタイリッシュな内外装に変わりました。
2003年,X308はフルモデルチェンジを経て「ジャガー・XJ350」に生まれ変わります。車体サイズが大きくなった反面,ボディをアルミニウム製にしたことで車体重量が軽減され,最高出力はなんと400psを超えました。2009年に再度フルモデルチェンジが行われ,510馬力を持つ「ジャガー・XJ X351」が誕生。今までのモデルの中で最大の居室容量を誇り,パノラミックサンルーフによりさらに高級感が増します。そしてX351のAJ-V8 Gen IIIエンジンにスーパーチャージャーを搭載したXJRが登場。最大出力550ps,最大トルクは69.3kgに到達し,世界にその異質な性能を見せつけました。