

誕生 - Series 1が築いた美学
XJの物語は1968年、Series 1から始まりました。ロングノーズ、低い車高、細く繊細なグリルという特徴は、それまでの高級サルーンとは異なる“流れるような美しさ”を備えていました。豪華さよりも、まず“エレガンス”を求めたのがXJの哲学。エンジンは直列6気筒を中心に、静かで滑らかな回転フィールがジャガーらしい世界観を作り上げました。高級車でありながらスポーティで、英国らしい上品さを持つ、新たなサルーン像の誕生でした。
Series 2・3 〜 X300へ
1970年代〜90年代にかけ、XJはより洗練されたクラシックサルーンへ進化します。Series 2ではフェイスリフトにより上品な佇まいに、Series 3ではより直線的でモダンなデザインへ。特に1994年登場のX300は、伝統的な丸目4灯を強調し、XJの“品格”を象徴するモデルとなりました。この時代のXJは、どの角度から見ても優雅で、細部の造形にもクラフトマンシップが宿っています。今見ても色あせないクラシックデザインの完成形といえるでしょう。


X308・X350〜X358
1997年のX308ではV8エンジンを搭載し、よりラグジュアリーサルーンとしての存在感を強めました。続くX350はアルミボディを採用し、大幅な軽量化と高剛性を実現。しかし外観は従来の丸目4灯を守り、伝統を優先したデザインを継承します。この「中身は革新的、外観はクラシック」というバランスこそ、当時のジャガーらしさ。X358ではさらに重厚感が増し、現代的なラグジュアリーと英国伝統デザインが見事に同居した時代です。
X351が示した未来
2010年登場のX351は、XJ史上もっとも大胆な改革と言えるモデルです。丸目4灯を廃し、シャープなヘッドライトと流れるようなファストバックのシルエットを採用。従来のクラシック路線から一転し、“未来的なラグジュアリー”を明確に打ち出しました。このデザイン哲学は、その後のジャガー各車へ大きな影響を与えています。現在ジャガーは電動化ブランドへと移行する最中ですが、X351はその“つなぎ役”として、ジャガーの革新性を象徴する存在となりました。
